科学的根拠
ペニーナ・モースさんの観測は、太平洋で起きている現象ととてもよく一致しています。太平洋全体で、魚類・貝類・甲殻類・食用の棘皮(きょくひ)類 その他の重要な漁獲対象種の量やサイズが消失または減少縮小するなどの現象が起きています。カバラの場合、商業目的の漁業がなく、人口密度も低い島でこの ような現象が起きているため、少なくともある程度は岩礁や沿岸部の生態系に影響を与えている環境の変化と関連があると考えられます。この島周辺の岩礁の色の変化は、太平洋やカリブ海全体で起こっているサンゴ礁の消滅や白化といった広範囲で起こっている現象と明らかに一致します (IPCC 第4次評価報告書WG2)。カバラは僻地であり、ほぼ汚染物質のない離島なので、サンゴ礁の消滅は、少なくともある程度は、気候変動が原因であるといえま す。
同様に、ペニーナ・モースさんの証言にあるように、加速する海岸の浸食は、高潮や特に大きな超高潮のような、その島のほとんどの人々が人生で経験したこ とがないような規模の極端な現象の頻度や過酷さが増しているということに一致しています(IPCC 第4次評価報告書WG2)。こういったことは、キリバスやツバル、トンガといった島嶼国の多くで何度も起きており、これらの国々では、近年、サイクロンや 高波が、過去に前例がないほどの大規模な海岸浸食を引き起こしています。農園や家々の間口、そしてカバラの場合、ナケレヤヤンガという村の島民ヘルスセン ターなどが、高波の犠牲になっています。
全ての記事は「温暖化の目撃者・科学的根拠諮問委員会」の科学者によって審査されています。