Climate Witness: Penina Moce, Fiji | WWF

Climate Witness: Penina Moce, Fiji



Posted on 10 diciembre 2005
Penina Moce, WWF Climate Witness
Penina Moce, WWF Climate Witness
© WWF
南太平洋の島国フィジーのカバラ島に住むペニーナさん。島では以前、浅瀬で食べるための十分な魚や貝が獲れたのに、今では必要な量を獲るため、浜辺から遠 くまで行かなければならなくなりました。雨も降らなくなり、生活に欠かせない真水が不足。海水面の上昇による海岸の浸食も進み、島の全ての人たち暮らしが おびやかされています。

ペニーナ・モースさんは43歳。5人の子どもの母親です。ペニーナさんの一家は、フィジーにあるカバラ島のウドゥという村に住んでいます。2004年10月、彼女は村の会合でWWFの最初の「温暖化の目撃者」の一人に選ばれました

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進む海岸浸食とサンゴ礁の異変

私の島では、以前は簡単に捕れた魚や貝が、最近はなかなか捕れなくなっています。また、色鮮やかな生きたサンゴが、浜辺近くから礁の外まで続いていましたが、今ではすべてが白くなってしまいました。

 以前は、私たちは浅瀬で十分な量の魚を捕ることができました。しかし今は、遠くの海まで行かなくては魚が捕れなくなり、女性たちが海で魚を獲る時間がどんどん長くなっています。すぐに餌に食いついてきた魚も、今ではたった1匹釣るのに、一時間以上かかることがあります。

 また、小さい魚が目立つようになりました。かろうじて一食分になるくらいです。私たちにとってご馳走であったジェラと呼んでいた貝も、今ではほとんど見つけられなくなりました。

私たちが気付いているもう一つの変化は、海岸が浸食され、漁場が砂で覆われるようになったことです。藻場も急速に広がって、サンゴを覆い隠し、漁場内の自然の水の流れを妨げてしまっています。

関連記事: シンポジウム「温暖化の目撃者たち」 講演録より

ペニーナ・モースさんは、WWFが2005年10月に東京で開催したシンポジウム「温暖化の目撃者たち」に参加し、自身が島で体験している温暖化についてお話しくださいました。以下は、その時の講演の概要です。

温暖化は人間が起こしたもの、だから人間の力で解決できる

 ペニーナさんはフィジー諸島の“カバラ”という小さな島で暮らしており、5人の子どもの母親です。漁業やときには手工業を営みながら一家を支えています。

カバラ島は外からの観光客には“楽園”と称されますが、住むにはたいへん困難な島だそうです。島には川がまったくないため、生活用水などはすべて雨水頼りという状態であり、また農地に適した土地が非常に少ないということです。

彼女は最近、島で暮らしてきた40年間で今まで見られなかったような異常な事態に気づいたといいます。沿岸部の急速な侵食、乾季の長期化、嵐や高潮の頻 発。果物の実る時期や魚の産卵期もずれてきているそうです。また、サンゴの白化現象や魚のサイズが小さくなっていること、魚の数の減少など漁業場における 変化も現れていると話していました。

その中でも、ペニーナさんが特に深刻だと話していたことは雨の変化です。カバラでは、水不足自体珍しいことではないのですが、乾季の長期化のため対応が追いつかない状態だということです。

けれども島は孤立しているので、政府からの援助もとても遅いそうです。そこでカバラの島民たちは、ただ待ってないで自分たちで行動を起こすことにしまし た。海岸侵食の影響を軽減するためサンゴを傷つけるような行為を禁止したり、乾季に取水制限を行なったりしたということです。

「気候変動は地球全体の問題。だから、みんなが行動を起こさないと私たちの努力も無駄になってしまう」ペニーナさんは涙ながらにそう語ってくださいました。

カバラの人々は当初、こうした異変は神の試練だと考えていたそうです。しかしこれが人為的な行為によるものだと学んだ彼女は強く信じています。

「温暖化は人間が起こしたものなのだから、人間の力で解決できる」と。



 

科学的根拠

ペニーナ・モースさんの観測は、太平洋で起きている現象ととてもよく一致しています。太平洋全体で、魚類・貝類・甲殻類・食用の棘皮(きょくひ)類 その他の重要な漁獲対象種の量やサイズが消失または減少縮小するなどの現象が起きています。カバラの場合、商業目的の漁業がなく、人口密度も低い島でこの ような現象が起きているため、少なくともある程度は岩礁や沿岸部の生態系に影響を与えている環境の変化と関連があると考えられます。

この島周辺の岩礁の色の変化は、太平洋やカリブ海全体で起こっているサンゴ礁の消滅や白化といった広範囲で起こっている現象と明らかに一致します (IPCC 第4次評価報告書WG2)。カバラは僻地であり、ほぼ汚染物質のない離島なので、サンゴ礁の消滅は、少なくともある程度は、気候変動が原因であるといえま す。

同様に、ペニーナ・モースさんの証言にあるように、加速する海岸の浸食は、高潮や特に大きな超高潮のような、その島のほとんどの人々が人生で経験したこ とがないような規模の極端な現象の頻度や過酷さが増しているということに一致しています(IPCC 第4次評価報告書WG2)。こういったことは、キリバスやツバル、トンガといった島嶼国の多くで何度も起きており、これらの国々では、近年、サイクロンや 高波が、過去に前例がないほどの大規模な海岸浸食を引き起こしています。農園や家々の間口、そしてカバラの場合、ナケレヤヤンガという村の島民ヘルスセン ターなどが、高波の犠牲になっています。

全ての記事は「温暖化の目撃者・科学的根拠諮問委員会」の科学者によって審査されています。


 
 
Penina Moce, WWF Climate Witness
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Village on Kabara Island